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好き≠恋(日文版)-第6部分

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酷彷叅驘o視して歩き始めた。ツバサが歩き始めたのを見て、後輩は健人に「失礼します」と最敬礼をしてからツバサの後を追った。
 さすがは剣道をしているだけあって、とても礼儀正しいと思った。立ち去っていく二人の後姿を見つめて、健人はもらったスポ磨丧辚螗违悭氓驻蜷_けた。知らない間に喉が渇いていたようで、一口、飲み込んでからはごくごくと喉を鳴らしてペットボトルの半分ほど飲んでしまった。
 キャップを椋Г幛啤⒔∪摔膝讠氓去堀去毪颏肖螭沃肖耸宋瑜盲俊¥猡Φ工欷毪长趣蠠oいだろう。そう勝手に決め付けて、健人は昇降口から出た。

 テストが終わった後、すぐにテスト休みに入ってしまい、健人はツバサにもう一度礼を言うチャンスを失ってしまった。終業式で学校へ行ったときは、大会が近いからと言って練習のために教室へは顔を出さなかった。結局、礼を言うことも出来ずに、健人は夏休みを迎えてしまった。
 特にやることの無い夏休み。誰かと撸Г旨s束をしているわけでも無いし、撸Г埭Δ趣馑激盲皮い胜盲俊3跞栅椤⑺揞}に取り掛かったせいで、健人はほぼ1日で宿睿蚪Kわらせてしまった。華の17歳に沢山の宿睿虺訾筏皮庖馕钉胜い确证盲皮い毪韦⑺揞}の量はさほど多くない。大半の人が、31日になってから慌てて取り掛かる宿睿颉⒔∪摔悉工挨私Kわらせてしまった。
 窓から見える外は、非常に暑そうで、陽炎が揺らめいている。強い日差しは窓の外からでも良く分かり、外へ出る気が一気に殺げた。健人は4月に買った数学の参考書を手に取った。健人が買った数学の参考書は高校生が使うような参考書ではない。もう少し高度な、大学生レベルの参考書だった。この参考書を買った時点で、大学に行こうと言う気は少なからずあったのだが、その一歩が踏み出せなかった。
 夏休み前に行った進路面談では、宣言したとおり、決まっていないと母の前で告げた。その後、家族会議が開かれたけれど、健人はまだ決めないの一点張りでその場を鎮めた。歩はあまり良い顔をしていなかったけれど、健人の人生に歩が干渉してくる筋合いは無い。ぴしゃりと両親の言葉を遮断してしまったせいか、あれから健人に進路のことを尋ねては来なかった。
 どうして、大学に行くことを決めれないのかと言うと、健人は独り立ちしたいという気持ちが強かった。大学へ行って一人暮らしするのも手だが、家賃や学費を出してもらうことは親に養ってもらっていることとなる。それが嫌だから、健人は進路について物凄く迷っていたのだった。
 面談の時、財前は健人に「大学へ行った方が良いと思うぞ」と言った。何で、大学へ行った方が良いと言うのか理解できなかった。学歴のためなんだろうか。ただの紙切れ一つで人を判断されるのは、無性に腹立つ。そいつの本伲ⅳ饯渭埱肖欷吮恧欷皮い毪韦妊预à肖饯Δ扦悉胜い坤恧Α¥筏贰⑹坤沃肖违伐攻匹啶趣筏茮Qまってしまっているのだから、仕方のないことだった。
 健人は寝転がったまま、参考書を顔の上に仱护俊1九铯文兢蝿訾い然欷袱盲啤⒓垽蝿訾い强驻颏工挨搿T倮茨辘谓い瑜Δ扦蓼肋hい未来のことを今から決めるなんて、子どもと大人のはざまである高校生に決めることなんて出来なかった。
 考え込んでいたら眠ってしまったようで、気付けば、夕方近くになっていた。昼飯も食べずに寝ていたせいか、変な時間に腹が減ってしまい、リビングへ行くと母が夕食の準備を始めていた。
「……あら、健人。あんた、暇でしょ? ちょっと手伝ってよ」
 2階から降りてきた健人に、母はそう言った。健人は少しだけ笑みを浮かべて「分かったよ」と言い、母の隣に並ぶ。険悪な状態で進路の話を終わらせてしまったから、少しぐらいは弁解した方が良いかと思ったが、話を振ってくるまでは答えないことにした。
「今日は何にするの?」
「暑くなってきたから、スタミナが付くものにしようかしらね。健人も、ク椹‘が効いた部屋ばっかりに居ると、夏バテになるわよ」
「……部屋にはク椹‘あんまりかけてないんだ。寝る時ぐらいだよ」
 全部屋ク椹‘が取りつけられているが、健人はあまりク椹‘を好まなかった。今まで使ったことが無いと言うのを前提に、ク椹‘の風に当たりすぎると体を冷やして体眨虮坤工长趣啶盲俊7櫎蜷_けて扇風機を回しているだけでもかなり涼しいと、健人は少しだけ悲しそうな顔をした母を見て励ますように言った。
「ク椹‘なんて無い生活だったもんね。今さら、ク椹‘なんてそんなに使えないわよね」
 隣で笑う母を見て、少し無理をしているように見えた。健人に苦労をかけまいとしてくれているのは嬉しいが、二人きりの生活の方が何倍も楽しかった。それは凄く辛いことだったのかもしれないけど、二人の間を誰も邪魔しなかった。貧しくて欲しいものも買えなかったけど、健人がそのことに文句を言うことは無かった。母さえいれば、健人は良かったのだ。
「来年、お父さんの十三回忌ね」
「……もうそんなになるんだ」
 ジャガイモの皮を剥いている母を見て、健人は父が死んでそんなに経っているのかと思い知らされた。記憶の片隅に残っている父は、すでに顔はぼやけて思い出せない。どんな人だったかすら、欷盲皮い毪瑜Δ扦悉盲辘趣纤激い坤护胜盲俊¥饯欷扦馑坤螭扦筏蓼盲繒rのことは良く覚えていて、動かない父を見て「なんで寝てるの?」と尋ねたことは今でも明瞭に思い出せる。その時の母は、悲しそうに目を伏せて、健人に「もう起きないのよ」と言った。
 どうして起きないのか不思議だったが、自然とそれを受け入れていた。ピクリとも動かない父が、人ではなくなったと、子供ながらに理解していたんだろう。
「お盆はお墓参りも行かないといけないわね。予定がいっぱいだわ」
「……そうだね」
 適当に相槌を打って、健人は玉ねぎの皮をむき始めた。普段から家にいる母が予定がいっぱいだと言うのは珍しく、たまたま予定が詰まったからそう言っただけなのだと思っていた。
 大して気にしていなかった健人に、このあと、衝撃的な事実が待ち受ける。
 この日は珍しく歩も早く帰ってきた。定時に帰ってきた義父と歩が降りてきて、夕飯の支度が大忙しになる。一人でてんやわんやしている母を尻目に、健人は味噌汁をよそってテ芝毪丐葋Kべた。今日の夕飯はスタミナが付く料理と言いながらも、母が得意とする料理の一つ、肉じゃがになった。真夏に肉じゃがを出され、二人は目を合わせて苦笑いをしていた。
「それじゃ、食べましょう! いただきま埂
 母の陽気な声がリビングに響き、それぞれが個々のタイミングで頂きますと言う。味噌汁を啜った義父が「お、今日の味噌汁は少し摺Δ省 工饶郡蛲瑜筏啤⒛袱蛞姢俊
「……どう、摺Δ韦琛
 義父は褒めたつもりなのだが、怪訝な顔をしている母を見て首を傾げた。
「いつもよりおいしいよ」
 はっきり言うと、母の目の色が変わった。そんな会話をしていたせいか、歩も味噌汁に手を伸ばし、少しだけ啜る。
「あ、ほんとだ。いつもとは摺Α3鲋趣⑽多幛趣珘浃à郡危俊
 歩までそんなことを言いだすので、母はパシンと音を立てて箸をテ芝毪诉丹膜堡俊R姢毪椁伺盲皮い肽袱蛞姢膜幛啤⒔∪摔稀改袱丹蟆⒋笕摔菠胜い琛工染菠搜预Α|a々と食べている健人は母が怒っている理由を知っていた。
「……その味噌汁、私が作ったわけじゃない……!」
 苦々しく言った母に、二人は「え!?」と声を合わせた。一旦、視線を手に持っているお椀に向けてから、もう一度顔を上げて母を見る。
「え、あ、じゃぁ、誰が作ったの? もしかして、インスタント?」
「いやいや、インスタントってすぐに味分かるじゃん。ってことは⒔∪摔鳏盲郡危俊
 歩の問いかけに健人は答えなかった。いや、食べている途中で答えられなかったと言うのが正確だ。飲みこんで答えようとしたところで「そうよ!」と、怒り任せに母が大声を出した。二人で住んでいた時、健人がご飯を作っていたことは知っていたが、まさか母より上手いとは思っても居なかった。父子で目を合わせて、気まずそうにお椀をテ芝毪紊悉酥盲い俊
「まぁまぁ、でも、健人君が料理出来るなら安心じゃないか」
「そうね」
 義父がフォロ工毪瑜Δ搜预Δ取⒛袱闲︻啢蛉·陸贰⑽⑿Δ螭欠凳陇颏工搿:喂省⒘侠恧隼搐毪榘残膜胜韦证椁骸⒔∪摔项啢蛏悉菠菩Δ盲皮い攵摔蛞姢膜幛搿
「二人には悪いんだけど……」
 母が悪いと言いながらもそんな素振りは全く見せず、笑顔を向ける。
「明日から1週間ほど、二人で旅行に行ってくるから」
 笑いながら言う母の言葉のあと、リビングにゴトンと大きい音が響き渡った。
 健人は箸を、歩はご飯が入った茶碗を落とした。

 茶碗を落とした歩は、落としたことにもびっくりし慌てながら転がる茶碗を掴んだ。半分ほど入っていたご飯は、無残にもテ芝毪紊悉松ⅳ椁肖盲皮筏蓼ぁⅢ绀遣柰毪沃肖藨筏俊I伽筏挨椁い坤盲郡槭长伽郡猡筏欷胜い敕证饴浃趣筏皮筏蓼盲郡韦恰ⅳ饯煲陨鲜长伽霘荬筏胜盲俊
 健人はそれを横目で見ながら、テ芝毪蜗陇寺浃趣筏矿绀蚯螭鞘挨ΑT挙瓮局肖坤盲郡⒋菠寺浃趣筏皮筏蓼盲郡韦求绀蛳搐い诵肖盲俊
 1週間、両親が旅行に行ってしまうことよりも、1週間二人で過ごさなければいけないことに、健人も歩も動揺していた。両親がいるからこそ、セ证筏皮い郡猡韦猡ⅳ搿;イい摔趣盲啤⒆钺幛雾韦扦ⅳ盲縼I親が居なくなることは予期せぬ事態だった。
「ど、どこ行くの?」
「ん、マチュピチュ」
 アウトドアで行動派の二人が選びそうなところだなと、健人は思った。そんな事実も今頃聞かされ、どうして前もって教えてくれないのだろうかと、笑顔を向けている二人に殺意を抱いた。それは歩も同じだったようで、茶碗をシンクに流すと「……もっと早く言ってよ」とぼやいた。
「もう高校生だし、私達が居なくても大丈夫でしょ。どうせ、健人は家に居るんだし」
 前もって知らせなかったことに対し、悪いとは思っていないようで母はあっけらかんと言った。言うとおり、家事全般は健人が出来るから問睿蠠oい。何が問睿胜韦妊预Δ取⒍摔沁^ごさなければいけないことが問睿胜韦馈¥郡坤扦丹ā㈥搻櫎首磻Bである今、衝突したら止めれないだろう。
「ま长庥堰_の家に泊まり行くから、そんなに家、居ないよ」
「あら、そうなの。健人は別に大丈夫でしょう?」
 一人で留守番することを懸念しているのか、母は少し心配そうに尋ねた。二人で暮らしてたころ、一人で留守番など毎日のことだった。ただ、どんなに遅くなろうとも母は家に帰ってきたわけだが、単にそれが無くなるだけだ。健人は椀に残った味噌汁を飲み干して「大丈夫だよ」と返事をした。
「じゃぁ、安心ね。頼んだわよ、あなた達」
 二人がどういう状況であるかも知らず、母はにっこりと笑顔を向けたのだった。
 まだ日も昇らぬうちから出て行った両親を、寝ぼけ眼で見送り、バタンと椋Г蓼盲啃vを見つめ健人は息を吐いた。玄関に置かれている時計を見ると、時刻は午前3時。朝一の飛行機で出発すると言っていたが、こんなにも早いとは思わなかった。歩はまだ寝ていなかったようで、平然とした顔をしている。健人は寝なおそうと思い背を向けたところで、歩に話しかけられた。
「俺、飯とかいらね椤
 言われなくても作るつもりが無かった健人は何も言わずにリビングへ向かう。何か、呟くような声が聞こえたけれど、反応するのも面倒なほど眠たかったので健人は無視して階段を上がっていった。歩が友達の家へ行ってくれるのは、非常に嬉しかった。誰かと一緒に居るより、一人で生活しているほうが断然気が楽だ。好きな時間にご飯を食べて、好きな時間に眠ればいい。することなすこと、誰にも干渉されない時間が1週間だなんて短いとまで思った。
 時間を無駄にしたくないと思ったが、別段、何かしたいことも特になく、健人は部屋に戻ってベッドへダイブする。スプリングが軋んで健人の体を数回揺らすと、冷たい風が体に当たった。パジャマの隙間からク椹‘の風が入り込んできて、健人は身震いした。直接、体には当たらないようにしているが、風が流れてきたようだ。布団を被ればちょうどいい温度にしてしまったため、布団を被っていないと少し肌寒かった。
 一度、覚醒してしまったせいか、眠ることが出来ない。夏休み中、少しぐらい不摂生な生活を送っても罰は当たらないだろうと、起き上がって1階へ降りることにした。
 階段を降りると、リビングにはまだ電気が付いていた。歩が消し忘れたのか、それとも、まだ歩が中に居るのかは階段の扉を開けなければ分からない。ドアノブに手をかけたところで、中から声が聞こえた。
 歩が電話で誰かと喋っているのだろう。内容までは聞き取れないが、ここまで来て部屋に引き返すのも嫌なので、健人は階段の扉を開けた。ソファ俗盲皮い霘iが振り返り、目が合う。右手に持った携帯電話を耳にくっ付けている。こんな深夜に電話する相手がいるなんて、友達が多いと自負しているだけはあった。
 電話している状態だったことに安堵し、健人は冷蔵庫へと向かう。冷やしてあるコ药‘を手に取り、棚からコップを取り出して並々と注いだ。
 リビングからは楽しそうな歩の声が聞こえてくる。何を話しているかは分からないが、時折、笑い声が聞こえて健人は顔を上げた。リビングと向き合うように作られたキッチンからは、リビングの様子が伺える。健人に背を向けて話している歩がどんな表情をしているかは分からない。しかし、声からして楽しそうなので、笑っているのだろうなと思った。決して、健人には向けない笑みで。
 健人は歩から目を逸らして、冷蔵庫にコ药‘を仕舞う。冷蔵庫のドアを椋Г幛郡韧瑫rに「じゃぁね」と、別れを告げる声が聞こえてどきりとした。タイミング的に、このままでは顔を合わす可能性が高い。それでも気にしていては仕方ないと思い、健人はすぐに振り向き、コ药‘を淹れたカップを手に取った。
 視界にリビングが入る。先ほどまでいた歩は姿を消していて、顔を上げると歩は真横に居た。
「……邪魔なんだけど」
 低い声が聞こえて、健人は眉間に力を入れた。歩は無表情で健人を見下ろしていて、キッチンのど真ん中に立っている。邪魔だと言われても、真ん中に立たれていては動くことも出来ない。
「お前も邪魔だよ」
 はっきり言うと、歩が不服そうに横へずれた。その隙間から、健人は抜けるようにキッチンから脱出する。やはり、想像していた通り、両親が居なくなった瞬間、雰囲気は一気に悪くなった。いくら歩のことが嫌いだと言っても、言い争ったり揉めたりなんかはしたくない。出来るだけ関わらないように、健人は2階へと駆け上がった。
 部屋の中に入ってから、貯め込んでいた空気を吐き出す。アイスコ药‘の入ったカップの水面が、少しだけ揺れていた。歩に対して、恐怖を覚えているのだろうか。それとも、別の感情なのかは分からない。ただ、今、一緒に居るだけでも物凄く辛いと思っていることは確かだった。

『はぁ俊·螭省ⅳい胜暄预铯欷郡盲茻o理に決まってんだろ。バァ
 最初から一刀両断されることは承知していたけれど、ここまでバカにされるとは思わず、歩は携帯を握りしめた。両親が旅行へ出発した土曜日の昼過ぎ、目を覚ました歩は今日の寝床を探すべく、まずは親友であるジンの所へ電話をしてみた。ジンの家庭はかなり眩jで、いきなり言って泊まらせてもらえないことは分かっていたが、バカにされるとは思っていなかった。
「ですよね
『お前がいきなり泊まらせてなんて珍しいじゃん。どうかしたわけ?』
 まだ友達になってから1年ぐらいしか経っていないと言うのに、ジンは歩のことを良く知っていた。歩は基本的に人のことを良く考えていて、他人がイヤだと言うことはあまりしない。そんな歩が無理を承知でジンに頼みこむなんて、珍しいことだった。
「いや、両親がさ……。今日から旅行行っちゃって」
『だったら家にいりゃいい袱悚蟆:韦扦猡贩蓬}って、あぁ、アレか。健人君と一緒に居たくないとか、そんなくだんね长趣坤怼
 見事に考えを的中され、歩は言葉も出なかった。いきなり旅行へ行くと言われた時は、一体、何を言い出すのかと目の前にいる義母と父を真顔で見つめてしまった。つい、左手に持っていた茶碗を落としてしまうほど驚いた。健人がいるから家のことは大丈夫と言われた時は、全然大丈夫じゃねぇよと突っ込んでしまいたいぐらいだった。こんな険悪な状態で、二人一緒に過ごしたらどうなるかなんて想像すらつかない。両親がいたからセ殖隼搐皮い扛星椁狻ⅴ哗‘ブできなくなるだろう。
「くだんなくね琛
『まだ揉めてんの? 鬱陶しいなぁ……』
「仲直りするつもりもね韦恕⑷啶幛毪夂韦鉄oいだろ。俺さ、友達の家に泊まりに行くって言っちゃったんだよ。ど筏瑭‘……」
『考えなしに行動するからそう言う目に遭うんだよ。自分で考えろ』
 どうやらジンは歩に助け船を出す気は無いようで、一方的に電話を切られた。甘えるつもりはないが、困っているときぐらい助けてくれても良いのではないかと思ったが、ジンが言ったことは正しかった。考えも無しに友達の家に泊まりに行くなどと言ってしまったから、歩はこうして行く宛てもなく困る破目になった。
 それでも友達の多さは自信があり、歩は片っ端から友人に連絡を取って今日は泊まりに行けないかと交渉してみた。5、6人に電話をかけたところ、暇だから良いよと言ってくれた友達がいて歩はほっと胸をなでおろした。
 歩に良いよと返事をしたのは中学生の時の友人で、高校に入ってからもそこそこ連絡を取り合っていた。中学の時は毎日のように撸Г螭扦い郡堡欷伞e々の高校に行ってしまったから高校に入ってからは夏休みや冬休みなど、大きい休みの時以外撸Г证长趣蠠oくなってしまった。そろそろ撸Г埭Δ瓤激à皮い郡韦恰⒍《攘激い妊预à卸《攘激盲俊
 友人は歩が前に住んでいた家の近くに住んでいる。父が再婚したと同時に、林ノ宮高校に近い今の家に引っ越したので、ここからは電車を仱盲菩肖胜い趣い堡胜い挨椁みhい距離にあった。
 歩は適当に荷物をまとめ、そっと家を出て行く。リビングに健人がいたら気まずいと思ったが、朝早くから起こされたせいでまだ寝ているのか、リビングに健人の姿は無かった。夏休みに入っても学校へ行くときと同じような生活を送っている健人にしては、こんな時間まで寝ているのはとても珍しい。その珍しさに救われた歩は、さっさと家を出た。
 歩いて行ける距離に学校があるため、電車に仱毪韦暇盲筏证辘坤盲俊qk前にはショッピングモ毪浈钎雪‘トが立ち並んでいるので、電車に仱盲瞥訾堡毪胜嗓鉁缍啶摔筏胜ぁM陵兹栅韦护い㈦娷嚖沃肖仙伽忿zみ合っていて、歩はドアの近くで立っていた。流れて行く風景は、徐々に懐かしいものへと変わっていく。歩の母は、まだ健在だ。大して仲の良い夫婦と言うわけでもなく、父が離婚したいと言った時も母は顔色一つ変えずに、「分かりました」と返事をした。まだ1年半ほどしか経っていないせいか、その時の光景は良く覚えていた。
 父は凄く真面目な人で、不倫などするような人ではなかった。職場で健人の母を好きになってしまったことをいきなり相談されたときは何事かと思ったが、歩に相談してくるほど思い悩んでいるのを見て、好きなようにしたら良いと言った。だから、歩は健人の母と付き合う前から父が好きだったことを知っている。それに歩の母も愛人を作っていたから、父が母以外の誰かを好きになることだって当たり前に受け入れてしまった。
 二人が離婚することに一番反対したのは、5歳年上の兄だった。せめて歩が高校を卒業するまでは、と、兄は二人に説得していたが、離婚すると言ってしまった以上、両親の考えは変わらなかった。兄は歩にも同意を求めてきたが、母からは倦厭され、相手にもされていないことに嫌気が差していたから、離婚することを了承してしまった。その時、酷く傷ついたような顔をした兄の顔も、良く覚えていた。今まで忘れていようとした記憶が、地元が近づくに連れて蘇ってきてしまった。
 数カ月ぶりに地元へ戻ると、目の前には懐かしい景色が広がっていた。駅前は商店街が連なっていて、帰りに食べ食いをしたりなどした。高校になってからもあまり変わっていないな、と歩は苦笑いした。
 友人の家に行こうと、駅から出た時だった。
「……歩か?」
 懐かしい声が背後から聞えて、歩は振り返った。歩の真後ろに居たのは、穏やかな笑みを浮かべている実の兄だった。
 久しぶりに見た兄の顔に、歩は言葉が出せなかった。実の兄である進は歩の顔を見るなりに近寄ってきて、「元気そうだな」と歩の肩を叩いた。
「兄ちゃん、久しぶり」
 そこでようやく目の前にいるのが進だと言うのを確信した歩は、笑顔を向けた。ケンカをしたことはあまりなく、仲の良い兄弟だった。両親が離婚してから、そんなに連絡を取ることは無かったが、歩は出来るだけ兄にメ毪胜赀B絡をよくしていた。しかし、大学生で忙しいせいか、進からメ毪丹盲皮毪长趣悉丹郅嗓胜ぁ¥长Δ筏啤⑴既护顺龌幛à毪趣纤激盲皮猡い胜盲俊
 進は歩よりも頭が良く、邉由窠Uも抜群だ。そして、顔が整っていて背が高いから、よくモテる。歩にとって自慢の兄だった。
「どうしたんだよ、こんなところで。お前の家はここから遠いだろう」
「うん。ちょっと友達と撸Г旨s束してて。こっちまできたんだ」
 母と進は引っ越しをしたものの、通学の利便さからこの近辺に住んでいた。それにしても、こうして出会えるなんて思っても居なかったので、先ほどまで思いつめていたことなど頭から吹っ飛んでしまった。
「兄ちゃんは? もう大学は夏休み入ったの? 結構、大変なんじゃないの?」
 会えた嬉しさから伲鼏栘煠幛筏皮筏蓼Δ取⑦Mは困ったように笑い「落ち着け」と歩の肩を叩いた。家族の中でも進だけは信頼していて、進とはなれることだけは寂しいと思っていたので、つい会話を続けようと伲鼏栘煠幛筏皮筏蓼盲俊
「……あ、ごめん。兄ちゃんと会うの、久しぶりだったから」
「何か月ぶりだ? 春休みに1回会ったな、そう言えば」
「それ以来だと思うよ。兄ちゃん、メ毪夥丹筏皮欷胜い贰
 拗ねたように言うと、進は笑いながら「ごめん」と謝った。やはり、こうして話しているだけでも、進と離れてしまったことに寂しさを覚えた。両親には言えないようなことも、進だけには話してきた。今の家だと、誰にも話せずに窮屈だ。ふと見せた歩の悲しそうな表情を進は見逃さなかった。
「なんかあったのか? 家で」
「……いや、なんかあったって言うかさ」
 言いにくそうにしているのを見ると、何かあったのだろう。両親が離婚してしまい、名字が変わってしまったと言っても血のつながった弟であることは変わりない。進は「言える範囲で言ってみろ」と、歩の腕を掴んだ。
「ここで話すのも何だしさ……。ちょっとどっか入ろうよ。兄ちゃんに時間があるならさ」
「ってことは長くなるんだな。今日はもう帰るだけだから、良いよ」
 良いよと言う返事を聞いて、歩は笑顔を向けた。友人には今すぐ行くと言ってしまったが、行っても大してやることが無いのは分かっている。メ毪沁Wくなると送り、歩は進と一緒に近くのカフェに入った。
 昼を過ぎてお茶をしに来た人たちで込み合っている。話し合うには丁度良い、壁際の一番奥が空いていたので、二人はそこに座った。対面に座った兄を見つめて、歩は一つため息を吐いた。こうして、兄と出会えたのは本当に奇跡に近
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