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杀意的定时炸弹北阿尔卑斯涸沢山杀人事件(日文版)-第3部分
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「ところで奥さん、ご主人が深山さんと一緒に登られた山の名前は憶えておいでですか?」
「私は山の事は正直よく分からないのですが、確か???甲斐駒ヶ岳(かいこまがたけ)、赤岳(あかだけ)、白馬岳(しろうまだけ)、あ、それと剱岳(つるぎだけ)に登ったと言っておりました」
「剱岳ですか?」
「はい、確かにそう言っておりました」
剱岳頂上より望む剱沢と別山?剱御前 (平成18年8月 著者撮影)
剱岳と言うと、立山の室堂(むろどう)から別山佋剑à伽盲丹螭韦盲长罚─蚪Uて剱沢(つるぎさわ)へと下(くだ)り、そこから一服剱(いっぷくつるぎ)、前剱(まえつるぎ)を経て頂上へ至る別山尾根ル趣摔筏怼⒃绱ㄎ哺楣イ幛毳氅‘トにしろ、いずれにせよ難易度が高い。頂上直下には有名な「カニのタテバイ」、「カニのヨコバイ」があり、大学時代にワンダ榨┅‘ゲル部に所属していた深山はさておき、登山歴の浅い耍麤gが剱岳をクリアしたと言うのであれば、北罚Ц咴坤楹詻g岳を経て奥罚Ц咴坤刂沥肟k走は、さして難しくは無かった筈だ。しかし、現実には耍麤gは命を落としている。やはり、気の緩(ゆる)みから足を滑らせたのだろうか? それとも今回も深山が同行していたのでは無かったのか?
「奥さん、今回の山行きはご主人お一人で行かれたんですか? それとも、深山さんもご一緒されていたんですか?」
「主人は土日を挟む10月9日、金曜日と、12日、月曜日の2日間、深山さんと一緒に有給休暇を取って、一緒に前夜出発する筈だったんです。でも、8日の夜、主人が家(うち)を出た後、暫くして深山さんから電話が入りまして???」
「深山さんは電話で何と?」
「土曜日が期限の仕事がどうしても片付いていないので、明日は出勤する事になった。だから、主人と一緒に山へは行けなくなったと」
「で、ご主人はどうされたんですか?」
「深山さんの方から主人に電話をしたそうなんですが、主人は深山さんに、それじゃ今回は自分一人で行ってくると言っていたとの事でした」
「では、奥さんは深山さんからの電話の後、ご主人に電話を掛けていない訳ですか?」
「いいえ、私からは電話しませんでしたが、主人からは掛かってきました」
雪悾卧挙扦稀⑺{沢は電話の中で、10月8日、木曜日、午後9時新宿発のJR特急ス雪‘あずさに仱辍ⅳ饯我工纤杀抉k近くのホテルに宿泊。9日、午前6時半過ぎ、松本発新島々(しんしましま)行きの松本電鉄上高地線の始発電車に仱辍⑿聧u々駅からは上高地行きのバスに仱険Qえて入山すると伝えて来たそうだ。
耍麤gは10月9日、実際に上高地インフォメ伐绁螗互螗咯‘に登山届を出している。つまり、耍麤gは雪悾嗽挙筏客à辘涡袆婴驋瘠盲渴陇摔胜搿9日に登山届を出し涸沢小屋に宿泊。10日に北罚Ц咝∥荬怂薏搐贰⒁11日に涸沢岳で滑落と言うのは確かに辻褄(つじつま)としては合っている。警察で無くても、これでは疑念を挟(はさ)み込む余地等無い。しかし、それでもやはり引っかかるのは、涸沢小屋と北罚Ц咝∥荬嗡迬い瞬肖丹欷皮い坷喂P跡だ。どこかに俺が見落としている点は無いのだろうか? それとも、やはり俺の単なる思い過ごしなのだろうか?
俺は子供が帰って来たのと入れ摺い恕⑺{沢の自宅をあとにした。耍麤gの息子は小学校に上がったばかりのようだ。まだ、父親の死をよく理解出来ていないのか、母親のように表情に暗さは見られない。それにしても、まだ35才だった一家の大蛲蝗皇Гぁ⒍摔巧皮い亭肖胜椁胜に{沢母子(おやこ)の事を考えると思いは眩jだ。耍麤gの死が事故だったにせよ、事件に巻き込まれたものだったにせよ、一日も早く真相を明らかにしたい。そう思わずにはいられなかった。
6章 浮かび上がったキ铹‘ド
美と健康サロン YOSHINO
山梨県富士吉田市のアットホ啶圣ē攻匹匹%氓骏单恁螭扦埂
yoshino…salon@venus。san。ne。jp
富士急行線 寿駅近く
電話 090…2537…3405
(不定休?要予約)
西眨捡kへと戻る途中、ふと気になる事を思い出し、俺は再び木村未来に電話を掛けた。
「あ、未来さん?」
「漢波羅さん、今、『木村』さんじゃなく『未来』さんって言ってくれましたね」
「エッ、そうだった?」
「未来さんって言いましたよ。嬉しいなあ???」
俺は無意識の内に、彼女の事を名前で呼んでいたようだ。
「さっきまで、耍麤gさんのご自宅にお邪魔して奥さんから色々と話を伺っていたんだ」
「で、漢波羅さんが何を眨伽皮い毪韦现椁胜い堡欷伞⒑韦珔Х偆悉ⅳ辘蓼筏浚俊
これだけ、色々と嗅(か)ぎ回っていれば、たとえ彼女で無くても薄々とは勘付くだろう。
「実は又、木村???いや、未来さんに眨伽朴筏な陇ⅳ毪螭馈
俺は彼女を「木村」と言い掛けたが、直(す)ぐ「未来」と呼び直した。
「響資(きょうすけ)さんの頼みなら、何だって聞きますよ! でも、電話で無く直接会ってお話ししたいなあ???」
今度は彼女の方が、俺を名前で呼んできた。
「今、まだ眨激摔い啤ⅳ长欷樾滤蓼貞胨胜螭坤瑁浚浚俊
「それじゃ、私も新宿へ出ますから、どこかで食事でもしながら、お話ししましょ?」
「分かった。そうだなあ???それじゃ、新宿駅西口のスバルビル前で待ち合わせして、そこの地下にある『スンガリ护盲蒲预Ε恁伐⒘侠淼辘鞘呈陇工毪韦悉嗓Γ俊
「響資さんと一緒なら、どこでだって良いですよ」
「じゃ、話は決まった。それじゃ、後(あと)で???」
30分後、俺と彼女は新宿駅前の喧噪(けんそう)を避けるかのように「スンガリ工丐热毪盲皮い盲俊
「二夜連続でご馳走して頂いて、すみません。でも、このお店、とっても雰囲気良いですね」
「だろう? それでね、ロシア料理って言うと『ボルシチ』ス驻ǚ胜螭坤堡伞ⅳ长长巍亥弗悭毳偿ǎ骏ぅ海骏隶悭辚悌‘チヌイ』って言う仔牛肉のロ攻趣帧⒚牢钉筏皮汀W⑽膜习长巳韦护皮猡椁盲皮いい剩俊
「はい」
料理が撙肖欷皮毪蓼扦伍g、俺は彼女に深山の自宅前で出会った男性、耍麤gの妻、雪悾趣卧挙文谌荬驋à─ふà膜蓿─螭窃挙筏俊
「エ俊∷{沢課長と深山係長が二人で山登りしていたんですか?」
「そうなんだよ」
「でも、あの二人、社内では仕事の話以外した事無かったんですよ」
「じゃあ、二人が山登りしていた事は誰も知らなかったって訳?」
「それはそうですよ。私だって響資さんから聞いて今初めて知ったんですから」
「みんなに知られたくなかったのかな?」
「どうしてですか?」
「テニスやサ榨%螭冗‘って、山登りって、どうしても派手さに欠けるじゃない? 地味でダサイって思われるのが恥ずかしかったのかな?」
「そんな事無いと思いますよ。だって、私の友達でも週末に高尾山や丹沢へ登っている子がいるけど、全然隠してなんかいませんよ。隠すどころか、逆に『未来もどう? 一緒に?』なんて誘ってくるくらいだし」
確かに恥ずかしがったり、隠す必要があるようには思えない。今や、老若男女(ろうにゃくなんにょ)を問わず、登山やハイキングは一大ブ啶胜韦坤椤¥扦稀ⅳ胜螭撬{沢と深山は山登りしている事を社内では隠していたのだろう?
俺は撙肖欷皮课拢àⅳ郡浚─ぅ堀毳伐沥蜞ǎà工梗─辘胜椤⒈绢}に入った。
「未来さん、毎度々々で申し訳ないんだけど、又、教えて欲しい事があるんだ」
「はいはい、今度は何でしょうか? ご主人様」
「耍麤gさんの奥さんの話だと、耍麤gさんと深山さんが、土日を挟んで、10月9日、金曜日と12日、月曜日の2日間、有給休暇を取ったらしいんだけど、深山さんだけ土曜日が期限の仕事が終わっていなかったとかで、9日の有給休暇は取り消して出勤したって言うんだ。確認してもらえないかな?」
「いいですよ。そんな事ならお安い御用です」
彼女は早速、どこかへと電話を掛けた。
「会社の子に確認したら、確かに深山係長、9日は出勤していたそうですよ。それと、12日も」
「と言う事は、深山さんは10日、土曜日と11日、日曜日の2日間、普通に週末を休んだだけって事?」
「そう言う事になりますね」
「それじゃ、耍麤gさんの方はどうだったの?」
「耍麤g課長は予定通り、9日と12日に有給休暇を取っていますね」
「そう???」
雪悾槁劋い吭挙瓮à辘坤盲俊I钌饯人{沢との関係と言い、山登りの話と言い、俺の深山に対する疑念は益々深まるばかりなのだが、深まれば深まる程、逆に深山を疑念から遠ざける材料も出てくる。これでは、八方塞(ふさ)がりもいい所だ。
俺にはもう一つ疑問があった。広告代理店大手「帝通」の課長だった深山が何故、中途退職し、帝通とは規模で比べものにならない程小さなヌ佶毳些‘グにわざわざ入社したのかと言う事だ。ヌ佶毳些‘グには、将来の幹部ポストを深山が擲(なげう)ってでも入社したいと思わせる何かがあったのだろうか?
「それともう一つ知りたいんだけど、いいかな?」
「何ですか?」
「深山さんが入社する以前、ヌ佶毳些‘グに何か事件とか、特別な事って無かった?」
「事件? 特別な事?」
「うん。何がどうのって俺自身、今思い浮かぶ訳じゃ無いんだけど???何か無かったかな? 何でもいいんだ。ほんの些細(ささい)な事でも???」
「う螅浚浚俊
急にこんな伲鼏枻颏丹欷皮狻⒘魇酥堡按黏à椁欷牍Qが無い。それでも、彼女は明日出社したら、それとは無しに眨伽皮撙毪燃s束した。何でも、「生き字引(じびき)」と渾名(あだな)されるお局(つぼね)様がいるそうで、その彼女に聞けば、社内の事なら大抵の事は分かると言う。まあ、どこの会社にも一人や二人は情報通の女子社員はいるものだ。今はその彼女の情報力に期待するしか無い。
10月17日、土曜日、午後2時── 。
俺は再び、新宿区河田町へと足を撙螭馈I钌饯渭窑吻挨浅龌幛盲勘摔问陇蛄激毪ⅳ纬趵夏行预嘶幛椁扦ⅳ搿P窑ぁ⒛敬逦蠢搐椁芜B絡で、今日、深山は休日出勤していると言う。
俺は深山の家の前で男性が現れるのを待った。すると、30分程して昨日の男性が現れた。今日は柴犬を連れている。どうやら、飼い犬の散歩帰りのようだ。
「昨日はどうも」
「おぉ、君か。今日は又、どうしたんだい? 土曜日だって言うのに、明夫ちゃんは会社へ出掛けたよ」
「いえ、今日はおじさんに会いに来ました」
「俺に?」
「はい。是非伺いたい事があったものですから」
「何を聞きたいんだい?」
「昨日のお話に出てきた深山さんの妹さん、節子さんて言いましたっけ? その節子さんの事なんですが」
「せっちゃんの事?」
「はい。節子さんが自殺する以前、何か仕事をなさっていましたか?」
「せっちゃんは広告代理店に勤めていたよ」
「その会社の名前は憶えておいでですか?」
「何て言ったかな? 横文字だったんだよ。確か、ヌ浚浚俊
「ひょっとして、『ヌ佶毳些‘グ』って言いませんでしたか?」
「そうそう、そんな名前だったな」
やはり、そうか。夕べ、木村未来と別れてから独りで考えていたのだが、深山は妹の自殺を境に性格が一変している。とすると、鍵は自殺した妹にあるのでは無いか?と俺は考えたのだ。
「せっちゃんはね、大学卒業後、デザイン会社に入社したんだけど、康隆君との結婚を機に転職してね。そのヌ浚浚俊
「ヌ佶毳些‘グです」
「そう、そのヌ佶毳些‘グって会社に再就職してね」
「やはり、そうでしたか」
「まさか、せっちゃん、会社でいじめにあって自殺したんじゃ無いだろうね?」
「さあ、それは何とも???」
「あ!」
「どうされたんですか?」
「そう言やぁ、ヌ佶毳些‘グって、明夫ちゃんが今勤めてる会社じゃなかった?」
「そうですが?」
「まさか、明夫ちゃん、せっちゃんの自殺原因を眨伽霝椁恕ⅳ铯钉铯盾灺殼筏郡螭袱銦oいだろうね?」
男性の話はもっともだ。そう考えると辻褄も合う。だが、そうだったとして、深山が耍麤gに接近した理由(わけ)は何なのだろう? 耍麤gが深山の妹を自殺に追い込んだとでも言うのだろうか?
そんな想像を頭の中で巡らせていた時、突然、携帯電話が鳴った。見ると木村未来からだ。
「もしもし」
「響資さん? 未来です」
「何か分かった?」
「深山係長が入社する以前の話なんですけど???今から六年前、会社(うち)の女子社員が一人自殺しているんですよ」
「その自殺した女子社員の名前って、ひょっとして『北村節子』じゃない?」
「どうして知っているんですか?」
「実は、今も深山さんの家の前に来ているんだけど、深山さんの事をよく知る人と話していたら、その名前が出てきてね」
「北村節子さんって誰なんですか? 私はその人が自殺した一年後に入社したから、知らないんですよ」
「実はね、北村節子さんは結婚して『北村』姓になったんだけど、旧姓は『深山』だったんだよ」
「と言う事は???エッ、まさか?」
「そう、そのまさかなんだよ。自殺した北村節子さんは、深山さんの実の妹だったんだよ」
「つまり、深山係長は自殺した妹さんの勤めていた会社に転職して来たって言う事ですか?」
「そう言う事になるね。ところで、深山さんの妹さんが自殺した原因なんだけど、社内で彼女に対するいじめとか無かったのかな?」
「その事も聞いてみたんですよ、『生き字引』さんに」
「で、どうだった?」
「それが、いじめなんて無かったって言うんです」
「???」
「北村節子さんは優しくて、気立ても良くて、仕事ぶりも真面目だったそうで、誰からも慕(した)われていたって言うんです。だから、いじめを受ける理由なんか無かったって。『生き字引』さんも含め、当時の社員は、なんで北村節子さんが自殺したのか丸きり見当(けんとう)が付かなかったって言うんですよ」
社内で北村節子をいじめていた人間は一人もいなかった。だとすると、彼女の自殺の原因は一体何だったのだろう? それと、深山が耍麤gに接近した理由(わけ)とどう関係があるのだろう?
「話が飛ぶけど、当時、耍麤gさんはどうだったの?」
「耍麤g課長ですか?」
「例えば、耍麤gさんが北村節子さんを陰で、いじめていたなんて事は無かったの?」
「いいえ。耍麤g課長は北村節子さんをいじめていたどころか、逆に可愛がっていたそうですよ」
「可愛がっていた?」
「ええ。『俺にもこんな妹がいたらなあ???』って言っていたそうです」
「そう???」
又もや、分からなくなってしまった。深山が帝通を辞めて、ヌ佶毳些‘グに転職した理由は、十中八九、妹の自殺に関係があるのだろう。だが、北村節子は社内でいじめを受けて等いなかった。それに、深山が接近した耍麤gも、北村節子を可愛がっていたと言う。自分の妹が自殺したとは言え、その妹を可愛がってくれていた人間に何かしよう等と普通考えるだろうか? それとも、耍麤gに対する深山の思いは一方的な逆恨(さかうら)み的なものなのだろうか?
第7章 尽à郅长恚─邮激幛康巧接嫽ē抓楗螅
初老男性と別れた俺は、バス停への帰り道、今までに眨伽品证盲渴陇颉ⅳ猡σ欢阮^の中で整理した。
10月11日、日曜日、涸沢岳沢の斜面で耍麤g俊英の滑落遺体が発見された。彼は土日の前後各1日、有給休暇を取り、7日、木曜日、午後9時新宿発松本行きのJR特急ス雪‘あずさに仱贽zんだ。その晩は松本駅近くのホテルに宿泊し、9日、金曜日、午前6時半過ぎの松本発新島々(しんしましま)行き松本電鉄上高地線始発電車に佨嚒P聧u々駅からはバスに仱険Qえ上高地に入っている。
上高地では自ら書いた登山届をインフォメ伐绁螗互螗咯‘に出し、その晩は涸沢小屋に、翌10日は北罚Ц咝∥荬怂薏矗浚浚郡い洹g際には「宿泊した」事になっている、と言った方が正しい。何故なら、二つの小屋の宿帳に残されていた「耍麤g俊英」の筆跡が彼自身のもので無い可能性が高いからだ。
一方、耍麤gの勤めていた会社、ヌ佶毳些‘グで出会った深山明夫。彼は見た所、耍麤gの事を快く思ってはいなかったようなのだが、その深山が耍麤gの自宅をわざわざ訪ね、彼に山の魅力を語り、その後、年に3回も一緒に山へ登っていたと言う事実。それでいて、社内の人間は誰一人として二人が山登りしている事を知らなかった???
更に分かった事は、深山には4歳年下の妹、北村節子がおり、ヌ佶毳些‘グの社員だった事。その彼女は理由は分からないが、6年前、自らの命を絶ち、それを境に、深山の性格が一変。将来の幹部候補と目(もく)されていた深山は広告代理店大手の帝通を中途退職し、嘗(かつ)て妹が勤めていたヌ佶毳些‘グへと転職してきた???
俺は耍麤gに接近し、耍麤gと今回の山行きを約束してた深山に疑いの目を向けているのだが、あいにくと彼には耍麤gが上高地入りした9日の「アリバイ」がある。当初、耍麤gと共に土日の前後各1日、有給休暇を取っていながら、出発日の8日夜になって仕事を理由に有給休暇をキャンセル。土日の2日間しか休んでない。耍麤gの山行きに同行し、彼に危害を加えた可能性は万分の一も無い。正にお手上げ状態だ。それでも、深山を疑うのであれば、彼のアリバイを突き崩すしか無い。しかし、どうしたら突き崩せるのか? 俺がまだ気付いてないトリックでもあるのだろうか? 俺は耍麤gの足跡を追って、信州松本へと行く事を決めた。現地へ行けば、今まで見えていなかったものが見えてくるかも知れない。そう思ったからだ。
JR松本駅
10月18日、日曜日、午前10時40分── 。
俺は松本駅に降り立った。松本は長野県中部、所謂(いわゆる)「中信」を代表する中核都市で、嘗て長野が「信濃国(しなののくに)」と呼ばれていた時代には国府が置かれ、信州の中心地として栄えた。市内には蚧{とした優美な外観から「烏(からす)城」とも呼ばれる国宝の松本城や、日本最古の小学校の一つで重要文化財に指定されている旧開智学校等、歴史的建築物も多い。又、北アルプス槍ヶ岳、中央アルプス茶臼山(ちゃうすやま)、三才山(みさやま)峠をそれぞれ水源とする梓川(あずさがわ)、奈良井川(ならいがわ)、女鳥羽川(めとばがわ)と言った清流が市内を流れ、松本は「水の都」とも呼ばれている。ちなみに、松本は平成17年4月1日、梓川、四賀(しが)、奈川(ながわ)、安曇(あずみ)の四村を合併編入。嘗て安曇村であった上高地も、今では「松本市内」だ。
松本駅を降りた俺がまず最初に取りかかったのは、耍麤gが10月8日の晩に泊まった駅前のホテルの割り出しだ。10軒を優に越すホテルを一軒々々当たっていく地道な作業だ。
7軒目、駅から北へ5分ほど歩いた女鳥羽川沿いのホテルに入った俺はフロントを訪ねた。
「いらっしゃいませ」
「すみません。ちょっとお伺いしたい事があるのですが、宜しいでしょうか?」
「はい、何でございましょう?」
俺は松本へ来る前に再度、眨激摔ⅳ胨{沢の自宅を訪ね、2日前、妻の雪悾橐姢护皮猡椁盲繕尌鲈理斏悉谴椁盲郡妊预λ{沢と深山が一緒に写っている写真を借りてきていた。その写真をフロント係の男性に見せながら尋(たず)ねた。
「10月8日の晩、こちらに耍麤g俊英さんと言う35才の男性が宿泊されませんでしたか?」
「失礼ですが、お客様はその方とどの様なご関係でしょうか?」
宿泊者の情報は個人情報だから、ホテルもそう簡単に教えてはくれない。
「テレビや新聞でご存じかと思いますが、耍麤gさんは上高地から入山して涸沢岳沢で滑落死されたんです」
「それはお気の毒に???」
「その耍麤gさんが亡くなられる前の晩に泊まられた北罚Ц咝∥荬藘Wは勤めておりまして」
「はあ」
「この写真は耍麤gさんの奥さんからお借りしてきたものなんですが、松本で降りた耍麤gさんが駅前のどのホテルに宿泊されたのか、こうして一軒々々確認して歩いているんです」
「そうでしたか。ご事情は分かりました。奥様からのご依頼と言う事ですね」
「はい、そうなんです」
本当は俺が勝手に眨伽皮い胧陇胜韦坤ⅳ长长悉长Υ黏à糠饯挙攻喋‘スに進む。
「そう言う事でしたら、ご協力させて頂きます。10月8日のご宿泊で、お名前は耍麤g俊英様ですね。少々お待ち下さい。只今確認して参ります」
奥の事務所へと消えたフロント係の男性が暫くして戻ってきた。
「耍麤g俊英様のお名前がございました」
「それじゃ、こちらに泊まられた訳ですね」
「はい。耍麤g様は10月8日の午後11時50分にチェックインされております」
耍麤gが雪悾穗娫挙筏皮吭挙碎g摺い蠠oかった。耍麤gは10月8日の晩、確かに松本駅に程近いこのホテルへと泊まったのだ。
「それで、耍麤gさんは翌日何時頃チェックアウトされたんですか?」
「翌日は???チェックアウトされておりませんね。もう1泊されております」
「? いや、耍麤gさんは奥さんへ掛けた電話の中で、翌日の10月9日、午前6時半過ぎの松本発新島々行き松本電鉄上高地線の始発電車に仱辍⑿聧u々駅からバスに仱険Qえて上高地へ向かった筈なんです。実際、9日に上高地インフォメ伐绁螗互螗咯‘に耍麤gさんが出した登山届も残っていましたし、何かの間摺い扦悉ⅳ辘蓼护螭俊
「いいえ、確かに10月9日もご宿泊されております」
「そんな馬鹿な???」
まるでハンマ轻幛恧轭^を殴られたかのようだ。キツネに摘(つま)まれたと言ってもいい。
耍麤gが10月9日も宿泊したと言うのなら、その日、上高地インフォメ伐绁螗互螗咯‘に出された登山届は誰が出したと言うのだ? 登山届の筆跡は耍麤gが書いたもので間摺い蠠oい。俺自身がわざわざヌ佶毳些‘グを訪ね、耍麤gが残した書類と見比べたのだから。しかし、上高地で登山届が出された同じ日、当の本人はここへもう一泊したと言う。フロント係の男性が嘘を言ってるとも思えない。これは一体どう言う事だ?
「それでは、耍麤gさんはいつチェックアウトされたんですか?」
「えぇ、耍麤g様は???10日の午前10時半にチェックアウトされております。担当した者がおりますので、今呼んで参ります。少々お待ち下さい」
再び、事務所へと消えたフロント係の男性は、今度は女性の係を連れて戻ってきた。
「お待たせ致しました。私(わたくし)が耍麤g様のチェックアウト手続きを致しました」
「耍麤gさんは本当に10日の午前10時半にチェックアウトされたんですか?」
「はい、間摺い搐钉い蓼护蟆
「その時、何か変わった様子はありませんでしたか?」
「いいえ、特には何もございませんでした。ただ???」
「ただ?」
「これから平湯(ひらゆ)温泉へ行くと申しておりました」
「平湯温泉?」
「はい。次第に思い出してきましたが、耍麤g様は確か、午前11時過ぎに松本バスタ撺圣毪槌訾敫呱綕怙w(のうひ)バスセンタ肖违啸工瞧綔氯叵颏ぁⅳ饯螘姢悉妞盲晡氯私à膜─毪螭馈ⅳ壬辘筏皮辘蓼筏俊
「平湯温泉ですか???」
耍麤g直筆の登山届が上高地インフォメ伐绁螗互螗咯‘に出され、涸沢小屋に泊まった筈の10月9日、彼は松本のホテルに連泊し、北罚Ц咝∥荬瞬搐蓼盲抗Qの10月10日は平湯温泉に逗留(とうりゅう)したと言う。これでは、山登りどころか、まるで観光か湯治(とうじ)ではないか。しかし、10月11日、涸沢岳沢で彼の滑落遺体が発見されたのは紛(まぎ)れもない事実なのだ。これを一体どう説明すれば良いのだろう?
平湯温泉と言えば、岐阜県高山市の福地(ふくぢ)、新平湯、栃尾(とちお)、新罚Ц撙胃魑氯裙菠税嘛w騨(おくひだ)温泉郷を構成する秘湯だ。長野県の上高地から見れば、安房峠(あぼうとうげ)を挟んだ反対側である。上高地から入山し、涸沢小屋、北罚Ц咝∥荬蚪Uて奥罚Ц咴坤蚰恐袱筏皮い抗Qの耍麤gが何故、平湯温泉になど
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